2013/10/28

爪を切る女

朝寝坊したので本日の1食目、昼近くのヴィクトリアステーション。
肉の店で、あえてパスタを頼んだ。
気分はカルボナーラ。女はカルボナーラが好きだ。
いや違う。今日の気分はカルボナーラって事である。
本当はペペロンチーノが好き。
いや違う。本当はナポリタンが大好きなのだ。
そんな事を心で思っていると、
 
ペチン ペチン ペチン。
 
なんの音だろう。
 
あ。あれか。
 
そこには黒服の女が2人いた。
しかも2人とも地味な顔立ちである。
 
1番地味な顔立ちの女は結婚している様で左手にリングをしている。
入店したばかりだろうか、もう1人の女はメニューをず~と見ていた。
時間をかけながら、もう1人の女は決まったようだが、
1番地味な女はメニューを見てないので注文できないようだ。
 
ペチン ペチン ペチン。
 
ちょっとさぁ、食べ物屋で爪切るなんて常識知らないんだねぇ。
 
その女に聞こえるかの様に話したが、
1番地味な女は知らないふりをしている。か、本当に聞こえないのか。
 
食べ物屋で爪を切るのは、どうだろう。
爪は意外に飛ぶ。
昼を早めに切り上げ職場で処理するか、店の洗面室に行って切るか。
そこまで考えない1番地味な女は、近所にある葬儀屋で働いているんだろう。
人生最後の日、そんな女の働いている場所から見送りされたくないね。

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